わたしは、日に3杯はコーヒーを飲みます。しかも、大の乳脂肪好きのため、たいていはカフェラテ・カフェオレ・コーヒー牛乳。そして、内臓を冷やしたくないため、真夏もHOTプリーズです。
が、なぜか、この時期だけは、無性に冷たいものが飲みたくなります。気温以上に、湿度の高さが、わたしに冷たい刺激を求めてくるのです。が、イキってアイスを飲み干した後は、必ず疲労感が倍増。胃腸の冷えは内臓の働きを悪くし、夏バテの原因となります。
ここ最近の新しい選択肢が「常温」。コンビニでも「常温」販売のお茶や水が置かれるようになりましたね。健康意識の高まりで、わたしと同じように、通年で冷たいドリンクを避ける人が増えているようです。
「常温」とは、室温によって差はありますが15~25℃。冷蔵庫で冷やしたものが平均5℃。内臓の温度は37~38℃なので、結局は少し冷やしてしまいますが、常温の方が、まだカラダにやさしそう。スタバで常温とはいかないので、「氷なし」のアイスラテを頼んでみたりと。
ちなみに、プールの水温はご存知ですか?スポーツクラブなど室内プールでは、29~31℃が適温とされています。案外と温かく、常温ドリンクの温度だと、ドボンと浸かると皮膚はかなり寒く感じます。
では、どうして、キンキンに冷えた生ビールを飲んでも、胃腸は震えあがらないのか?それは、皮膚と内臓は、管轄している神経が違うから。
皮膚は、感覚神経が管轄する感覚器であるため、温度(外部刺激)に敏感に反応します。一方、内臓は自律神経が管轄しているため、人間は内臓で温度を知覚することはありません。
熱中症には何℃がいい、水分の吸収率では何℃がいい、など意見は分かれていますが、結局のところ、常温という選択は「無刺激」という点でベターだと考えています。
肌美容の適温にも諸説ありますが(洗顔だと35℃前後など)、感知しようがしなかろうが、やっぱり、皮膚も内臓も、大事な共通項は「無刺激」であることかなと。
特に、紫外線・エアコン・熱気など、肌の外的刺激が激増する夏場は、無刺激なケアで肌自体の恒常性(安定しようとする力)をサポートしてあげることが不可欠。夏ダメージに対抗するために、強いケアを投入するのは、刺激に刺激を重ねる行為にも。
肌は、外部環境となんとか折り合いをつけ、安定を取り戻そうと頑張っています。急かさず、そっと背中を押してあげてほしい。
そのためには、いつものお手入れを丁寧に続けること。同じクレンジング、同じローションでも、「今日もよろしく」「今日もおつかれさま」と心の中で呟きながらケアするだけで、手のタッチは変わります。そして、肌は俄然、ヤル気を出して、夏を乗り越えてくれるんです。
イズミ ショウコ 開発&ブランドプロデューサー