ここ2ヵ月、「マスクの肌荒れがヒドイ!」という女子の悲鳴を頻繁に聞きます。わたしも、化粧品開発という仕事上、研究室や工場で年中マスクは不可欠。荒れる前の予防が一番ですが、まずは一旦、荒れてしまった肌の挽回スキンケアから。2回に分けて、マスクでの肌荒れの「挽回」と「防止」について、わたしのアプローチをお話したいと思います。
マスクで肌が荒れてしまう原因は3つ。感染症や花粉症の対策には不可欠ですが、肌にはかなり過酷な環境なのです。
マスク荒れの肌は、バリアが剥がれて中身がムキ出し、刺激に無防備&超敏感な状態です。そんなヒステリーな肌に、強い化粧品やシートマスクなどを使うと、それが新たな刺激となって、症状を悪化させてしまうことも。
何度もマスク荒れに苦しんだわたしが、声を大にして言いたいのは「まずは、肌を刺激要因から解放する」こと。そして、「肌自身の修復能力を高めてあげる」こと。急がば回れ、結局それが回復への一番の近道でした。そこで重要となってくるのが、“クレンジング”なのです。
●ノーメイクの日でも、刺激物は除染して寝る
毛穴の奥まで入り込み肌の炎症を悪化させる「日中の刺激物質(ホコリ・花粉・PM25・排気ガス…)」や、ターンオーバーを邪魔する「古い角質」を、毎日きちんとリセットすることで、症状の悪化はその日のうちにストップ。
また、汚染物質はソープでは落としきれない微細成分も多いため、わたしは、ノーメイクや石鹸で落とせるメイクの日でも、必ずクレンジングします。刺激物を肌に残したまま寝ることだけは避けてほしいです。
ちなみに、ソープの方が肌に優しそうなイメージですが、泡の立つ洗顔(発泡剤・活性剤が多)は、皮脂を奪いすぎる場合もあるので、荒れ肌・敏感肌の人こそ、W洗顔不要のクレンジングをおススメしています。もちろん、肌に近い組成で、肌負担のないものを選ぶのは大前提です。
●血行促進で、内からエネルギー点滴
さらに、クレンジングにはソフトマッサージ効果も期待できるので、肌の血行を促進し、回復に必要な栄養を内側からたっぷり送り込めます。外から栄養を与えるより、点滴のように、内からの栄養供給を高める方が、過敏になった肌への負担もありませんし。でもゴシゴシは厳禁、クッション性の高いジェル・ミルク状のもので、やさしくクルクル馴染ませる程度で充分です。
では、そのあとのスキンケアは?マスクで傷ついた「肌のバリア機能」を補修してくれる最強成分と言えば、なんと言っても「セラミド」。肌が本来もっている脂質なので、敏感になった荒れ肌には特にオススメです。セラミドの有効性については、こちらに詳しく書いていますので、ご参考までに。
わたしのセラミド最強説▼
イズミ ショウコ 開発&ブランドプロデューサー