「今年の春は、ファンデーションの売れ行きが悪い」。ルンルン陽気とは裏腹に、化粧品業界では、こんな不穏な声が…。続くマスク生活にリモートワーク、ベースメイクのナチュラル化は進み、下地だけ、はたまた、何も塗らないという方も増えているようです。
ベースメイクの在り方が多様化したのはむしろ喜ばしいのですが、ひとつ、気になることが。ついでに「洗顔は、ソープだけで済ませちゃう」という方も、増えているということ。
そもそもクレンジングは負担になりそうだし、ソープだけの方が肌に優しそう。
いやいや、それは話が違うっ!クレンジングは「スキンケアのブースター」「ベースメイクの1stステップ」と主張するイズミとしては、ひとこと、モノ申させて頂きたい。
薄メイクが主流の今、ソープだけで落とせるファンデやUVも登場していますね。たしかに、メイク自体はソープで落とせても、クレンジングには、ソープにはできない、もっと重要な役割があるんです。
外気中の汚染物質や廃棄ガスなどの化学物質は油溶性(油にしか溶けない)ものも多く、ソープでは落とし切れない場合も。また、古く固くなった角質のリセットも、クレンジングの得意技。トラブル要因にもなる頑固な角質を、肌を傷めず、緩めながら解放できるのです。
クレンジングは、必ず、クルクルとマッサージをして馴染ませますよね。これが重要!マッサージ効果により、毎晩、血流とリンパを促進。睡眠中の老廃物やメラニンの排出機能を活性化するので、美顔ローラー三日坊主のズボラさんこそ、不可欠な習慣なのです。
「素っぴんがキレイ」なのか「素っぴんで残念」なのか。薄メイクの仕上がりを左右するのが、肌の光反射率。クレンジングは、肌表面のキメを磨き上げ、光反射率をアップします。同時に、肌内部の光透過率もアップし、肌の透明度を最大化してくれるのです。
血流・リンパ・角質へのアプローチによって、化粧水や美容液など、その後のアイテムの浸透と活性を底上げします。クレンジング単体での役割は勿論ですが、まさに“スキンケアのブースター”として、全てのお手入れ効果を、より早く確実に発揮させるのです。
光反射・光浸透・角質へのアプローチによって、ベースメイクのノリ・発色を引上げ、モチをよくします。まさに“ベースメイクの最初のステップ”として、ナチュラルメイクに耐えうる肌コンディションへ整えるのです。
いろいろ熱く語ってしまいましたが、でも、やっぱり、クレンジングは面倒だし、肌に悪そうだし。そんなモヤモヤに、次回はお答えしたいと思います。
イズミ ショウコ 開発&ブランドプロデューサー